KYB(法人確認)でよく漏れる、
実質的支配者の確認手順

法人そのものの確認は済んでいても、「その会社を実質的に動かしているのは誰か」の確認は抜けがちです。

目次

    「確認した」と「確認できた」は違う

    私たちの相談事例で多いのは、質問票に「実質的支配者:該当なし」と書かれているケースです。その申告をそのまま「確認した」として処理してしまいます。相手の申告を受け取ったことと、自社が確認できたことは別です。申告を受け取った日、それを何と照らして確認したか、確認できなかった場合はどう扱ったかを分けて記録します。

    なお、犯罪収益移転防止法は、マネー・ローンダリング対策として事業者に取引時の確認や記録の保存を求める法律です。対象となる事業者が法人と法令で定める取引をおこなう場合には、実質的支配者の確認が求められます。通常の特定取引では、法人の代表者等から申告を受ける方法とされています。ハイリスク取引では、資料の確認も必要です。この記事で扱うのは、法律上の確認に加えておこなう実務です。リスクに応じて照合できるものは照合し、その過程を記録に残しておく運用を指します。

    出典:警察庁「犯罪収益移転防止法の概要」(実質的支配者の確認方法)

    根拠資料を、判断と一緒に残す

    確認に使った資料は、提出された書類や公開情報の写しなどです。「この資料のこの部分を見て、こう判断した」という一文と一緒に保管します。資料だけが残っていて判断が残っていないと、あとから同じ結論に至れるかがわかりません。

    • 申告内容と、照合に使った資料を対にして保管する
    • 照合できなかった項目は「未確認」として明示し、放置しない
    • 判断した人と日付を必ず残す

    状況が変わったときの更新

    実質的支配者は、契約時に確認して終わりではありません。代表者や株主構成の変更、事業譲渡などで変わります。必要なのは「変わったことに気づく仕組み」と「気づいたら再確認する手順」です。継続モニタリングの一部として組み込んでおきます。

    まとめ:申告と確認を分け、根拠と判断を対にする

    実質的支配者の確認で問われるのは、結論の正しさだけでなく、その結論にどう至ったかを説明できることです。申告と確認を分ける・根拠と判断を対にする・変化に気づいたら更新する。この3つを手順にしておけば、抜けは大きく減ります。

    ※ 制度に関する記述は、2026年10月1日時点の一般的な説明です。個別の適用や必要な対応は、最新の法令・所管官庁の案内に照らして確認してください。

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    この記事を書いた人

    HANAPANA TECH編集部

    大阪・堺の金融レグテックカンパニー。カード決済の規制対応をシステムで支えています。 規制対応の実務、開発の裏側、社内で試したこと。現場で分かったことを書いています。

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